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ボトムアップ法によるヒト人工染色体(HAC)の構築

クロモリサーチの創設研究者である岡崎等の研究グループは、YACやBACベクタ−を用い、ヒト第21染色体由来の約70kbのアルフォイドDNAと培養細胞の薬剤選択マーカー遺伝子(YACの場合は両末端にヒトテロメア配列を含む)とを持つDNAコンストラクトを構築し、精製後のDNAをヒト線維芽細胞HT1080に導入することによりHACを構築できることを発見しました。

HACは、細胞に導入したDNAコンストラクトのマルチマー化により形成される「ミニ染色体」としてFISH法により検出されます。YAC由来のHACは、テロメアを有する線状構造である一方、BAC由来のHACはテロメアがない環状構造です。これらの成果は「CENP-B boxを含むI型アルフォイドDNAの連続した繰返しが新規セントロメア/キネトコア構造形成に必要である」という重要な法則の発見となり、この法則をもとに哺乳類の人工染色体の再現的な作出に世界で初めて成功した独自技術です。本技術は主要国に特許申請し、米国、オーストラリア、日本(特許4022835号)では既に特許成立しており、グローバルな優位性があります。

クロモリサーチ社の技術は、DNA配列情報をもとに染色体の維持機構に必要な要素を組み合わせて細胞内に新規に人工染色体を作出する方法であり、「ボトムアップ法」と呼びます。一方、天然の染色体の短小化により、染色体の維持機構に必要な領域をミニ染色体として残す方法を「トップダウン法」として大別されます。 構築方法

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共導入法による遺伝子保有型HACの構築

ボトムアップ構築法では、HAC形成時に導入DNA分子の多量体化が生じます。 ゲノム由来遺伝子を含むBAC(もしくはYAC)とアルフォイドDNAを持つBAC(YAC)とを共導入することにより、 ゲノム由来遺伝子領域を保有するHACを構築することができます。

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HACベクターの開発

部位特異的組換え配列を挿入部位として保有するHACを構築することにより、希望する遺伝子を簡便に挿入できるベクター型HACを開発しました。希望する遺伝子(cDNAやゲノムDNA)を遺伝子発現が保証された特異的な部位に挿入できます。挿入した遺伝子は、プロモーターに依存した発現を示しますので、外来遺伝子を希望する制御のもとに安定に哺乳動物細胞内に発現させることが可能です。

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HACベクターのトランスファー

HACベクターは、微小核融合法を利用して目的とする細胞株にトランスファーされ、安定に維持されることを確認しています。現在のところ、以下細胞株におけるHACベクターの安定維持を確認できています。

マウス胚性幹細胞(ES細胞)、ヒト間葉系幹細胞、CHO細胞

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ヒト人工染色体(HAC)構築法

微小核融合法によりHACを保有するマウス胚性幹細胞を準備し、目的遺伝子を持つトランスジェニックマウスを簡便に作出することができます。

外来遺伝子の生理的な発現制御が可能なトランスジェニック動物を確実に作出する方法を確立することは、HACベクターを遺伝子治療や再生医療に利用する基礎作りになると考えます。

文部科学省地域イノベーションクラスタープログラム(都市エリア型)「かずさ・千葉」の参画メンバーとして、クロモリサーチは、HACを用いてHLAや各種のヒト造血因子遺伝子などを導入することで、より臨床的な応用性の高い第三世代免疫・造血系ヒト化マウスの作出に向け共同開発を行っ ています。


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